はじめ貴族たちは暗殺計画などおくびにも出さず、友好的な雰囲気を装ってラスプーチンを皇族ユスポフ公の屋敷に招いた。そして、平然を装って彼に毒の入ったワインを飲ませた。

しかし、おかしなことにしばらく経っても全く効き目が現れなかったため、焦った貴族たちは短剣で刺した。それでも死なないので、次は銃を使った。合計4発の弾丸を撃ち込んだが、それでもまだ息があった。

まるでターミネーターのようなしぶとさである。

このへんで貴族たちは相当気味が悪くなったと見える。毒入りワインなんて優雅な考えはとっくに吹っ飛んでしまったらしく、どんどん力まかせな方法に出はじめるのだ。

次には棍棒で頭を砕いて撲殺しようとした。しかし、それでもまだ生きているので、窓から道路に叩き落した。それでも息があるので、最後は身体をむしろに巻いて凍てつくネヴァ川に放り込んだ。・・・と、まあ、思いつく方法すべてを試みた必死の形跡が見てとれる。この時、彼らの手元にダイナマイトがあれば、迷わず使ったに違いない。
この奇怪な一夜から3日後、ネヴァ川の厚く張った氷の下からラスプーチンの遺体を引き上げたのだが、彼の肺を調べると、その両肺は水でいっぱいだったという。

やはり彼は確かにネヴァ川に棄てられるまで生きていたのだ。